「黒潮と太陽の街で、彼女とめぐるキヲクの旅。」
【オモイデ作文-5通目:テツさん】
(※テツさん、短歌で思いをうたってくれました。)
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それぞれの空気を持ちよる まっさらな白紙に朝の光はあふれる
- 1集合時間。中央駅に八時半。行き先を知らされていない不安感とはじめましての緊張感がないまぜになっていました。
音楽を信じるひとは空(くう)を見る 受け取るものはそれぞれでいい
- 2いきなりのSHELTER。こんな小さなライブの、こんな離れたことろから、それでもちゃんと音楽を届けようとされていることに感謝をし、深く感動しました。みんなで歌った「上を向いて歩こう」。僕は、少し前まで福島に長く住んでいました。
「いいでしょっ」と得意気に笑む彼女から陽だまりに似た父さんのにおい
- 3地元の人でしかしらない風景、しかも絶景。中原公園。風が強く吹く中で彼女は、それはそれはうれしそうな自慢気な表情。お家でたくさん幸せだったからこそ、この街も好きなのだろうな。自分ふるさとの町に誰かを呼びたくなりました。
「高倉軒って書いてあるよ」と笑いあう 遠くでたき火の木がはぜている
- 4鳥居が二つある小さな神社。だいぶ、緊張も解けてきて、自分なりに、今いる枕先という街を知り始めていた頃。
この土を口に含めばあたたかい 大人になるまで出なかった場所
- 5僕は、東京で生まれ育ったが、小学校は電車で通学し、中学高校もまた違う所まで通っていた。友達も違う町に住んでいたし、遊びに行くのも電車を乗り継いで出かけていた。1つの街で育つという感覚って、きっと僕の知らない感覚なんだろうな。閉鎖されていた招魂塚幼稚園で思ったこと。
君の住む街の匂いはわからない 呼応し紡がれ流れるキヲク
- 6楽しくはなかった。感じる力、受け止める力が必要な旅。何て言うか独特。客観的に言ったら「学び」ってことなんだろうけど、こうやって旅を終えた今でも整理できないぐらいの感覚。“誰かの思い出”という切り口は、何を伝えたかったのだろう、と考え続けています。そういや噂ほどカツオの香りがしなかったなぁと、夕闇の立神岩を望む岬で、波の音と弾き語りを聴きながら。
僕たちを待ってくれてる方がいてやがて見送るひとになる旅
- 7振り返れば、ライブハウスで、枕崎空港で、鰹丼を食べた城山センターで、招魂塚幼稚園で、アースハーバーで、自分たちのために時間を作り待ってくれていた方たちがいる旅でした。お話をしてその方たちの想いや人となりを知って、最期には見送ってくれる“ひと”になっていった旅でした。枕崎は、出会いもたくさんあった街だったのだなと改めて思います。
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